EXHIBITIONS

オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所

三沢厚彦 Animal 2020-03 2020 樟に油彩 208.0×112.0×346.0cm 作家蔵
撮影=岡野圭 © Atsuhiko Misawa Courtesy of Nishimura Gallery
「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」会場風景より

舟越桂 スフィンクスには何を問うか? 2020 楠に彩色、大理石、革 101.0×53.0×32.0 cm
作家蔵 撮影=岡野圭 © Katsura Funakoshi Courtesy of Nishimura Gallery
「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」会場風景より

小谷元彦 Torch of Desire―52nd Star 2020 ウレタン、鉄 450.0×150.0×120.0cm 作家蔵
撮影=岡野圭 ©︎ Motohiko Odani Courtesy of ANOMALY
「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」会場風景より

西尾康之 磔刑 2021 陰刻鋳造、硬質石膏、木、鉄 320.0×210.0×100.0cm 作家蔵
撮影=岡野圭 © Yasuyuki Nishio Courtesy of ANOMALY
「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」会場風景より

金氏徹平 S/F (Sculpture/Fiction)  2019 インクジェットプリント、ステンレス 300×220cm
作家蔵 撮影=岡野圭 「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」会場風景より

青木野枝 Mesocyclone I 2021 鉄 440.0×150.0×150.0、478.0×160.0×160.0、515.0×160.0×160.0(3点1組)
撮影=山本糾 ©️ Noe Aoki Courtesy of ANOMALY 「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」会場風景より

杉戸洋「cut and restrain」(小山登美夫ギャラリー、2019)での展示風景[参考図版]

「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」会場風景 撮影=岡野圭

 武蔵野美術大学美術館では、彫刻家・三沢厚彦の監修による展覧会「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」を開催中。多彩な彫刻家11人の新作を展示している。

「オムニスカルプチャー」は、様々な思考や表現法によって拡張可能な彫刻において、彫刻の全方位性(≒omni)を示す、三沢による造語。本展は「オムニ」という彫刻のひとつの概念をめぐって、多様なアーティストの作品が共生、あるいは対峙することで、彫刻の新たな可能性を浮上させる。

 参加作家は、戸谷成雄、舟越桂、伊藤誠、青木野枝、三沢厚彦、西尾康之、棚田康司、須田悦弘、小谷元彦、金氏徹平、長谷川さち。11名の彫刻への考え方や向き合い方はそれぞれに違い、また木、鉄、石、FRP(繊維強化プラスチック)など扱う素材や技法も多岐にわたり、現代彫刻の全方位性を体現するような作家たち集まった。

 また本展では、彫刻が自律的であると同時に、実体として定立するための周囲の環境との関係性が重要な要素であるとして、画家の杉戸洋を招き、その独自の空間意識をもとに展示を構成。予定調和に収まらない彫刻空間をつくり上げる。

 会場の武蔵野美術大学 美術館は、建築家の芦原義信が1967年に設計した、ブルータリズムの影響を受けたモダニズム建築であり、その後さらに異なる建築思考による2度の改修を経て、特有の空間となった。この空間に杉戸の空間意識が介入し、ひとつの触媒となることで、11名による彫刻のこれまでにない関係(あるいは共生性)を誘発する。そして、展示空間全体もひとつの表現性を有し、この場所をめぐって彫刻の現在とこれからの姿が立ち現れる。

 このほか、出品作に関連するドローイングなど、作家らの固有の思考の一端が垣間見える資料も公開。彫刻の全方位性を示す「オムニ彫刻」をひとつのキーワードに、多様な思考や解釈が入り組むなかで、新たな表現への展開を探る。