EXHIBITIONS

野田裕示「100の庭」

野田裕示 WORK 2231

野田裕示 WORK 2231

 野田裕示(のだ・ひろじ)は一貫して、支持体と絵画表現のあり様をテーマに制作に取り組んできたアーティスト。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業翌年の1977年に、当時、現代美術の先駆的画廊であった南画廊(東京)で初個展を行い、そのダイナミックな作品は注目を集めた。
 
 その後も国内外の美術館、画廊で発表を続け、2001年には芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。また彫刻家・岡本敦生とのコラボレーション作品が現代日本彫刻展(2005)で毎日新聞社賞を受賞するなど、立体と平面による新しい展開も見せている。12年には国立新美術館(東京)で大規模な回顧展が開催され、以降も精力的に発表を続けている。

 野田は19年より同一サイズ(62.8x47.7センチメートル)による100点の制作を開始。「同じ考え方、同じ技法による100点という物量によって、10〜20点の展開では見ることができない新たな景色が見えるのではないか」、それを見てみたいという思いから今作に挑んだ。

 本展では、制作に約3年を要した箱型の作品全100点を一挙に発表。ギャルリー東京ユマニテ(5月12日~29日)とTHE GINZA SPACE(5月10日〜30日)での同時期開催で、雰囲気の違うふたつの空間において作品を鑑賞できる。