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ホー・ツーニェン「ヴォイス・オブ・ヴォイド—虚無の声」

メインビジュアル(作品に登場する高山岩男、西谷啓治、鈴木成高、高坂正顕の3Dモデル)

作品に登場するメカの3Dデザイン素材

ホー・ツーニェン Photograph by Matthew Teo Courtesy of Art Review Asia

 シンガポールを代表するアーティストのひとり、ホー・ツーニェンによる新作インスタレーションが、山口情報芸術センター[YCAM]で初公開される。会期は4月3日〜7月4日まで。

 ツーニェンはシンガポール生まれ。これまで様々な歴史的、哲学的テクストや素材から映像作品、インスタレーション、演劇的パフォーマンスを手がけ、2011年のヴェネチア・ビエンナーレのシンガポール館での個展をはじめとして、多くの国際的な美術展や舞台芸術祭、映画祭に参加。近年は、東南アジアの歴史に深い関わりを持つ、第二次世界大戦期の日本についても作品を通じて取り上げている。

 本展では、哲学者の西田幾多郎(1870〜1945)や田辺元(1885〜1962)を中心に形成されたグループで、1930〜40年代の日本の思想界で大きな影響力を持った「京都学派」をテーマに展示を構成。YCAMとのコラボレーションのもと、VR(ヴァーチャル・リアリティ)とアニメーションによる新作の映像インスタレーション《ヴォイス・オブ・ヴォイド―虚無の声》を発表する。

 新作《ヴォイス・オブ・ヴォイド―虚無の声》で主に取り上げるのは、「京都学派四天王」と呼ばれた西谷啓治(1900〜1990)、高坂正顕(1900〜1969)、高山岩男(1905〜1993)、鈴木成高(1907〜1988)によって、真珠湾攻撃の直前の1941年11月末に開催された座談会「世界史的立場と日本」だ。この座談会を取り巻く人々が、30〜40年代にかけて生み出した様々なテクストにアプローチする。

 公式に語られてきた歴史をイメージとテクストの集積によってひも解き、虚構や矛盾を含む複雑性を露わにしてきたツーニェンと、テクノロジーを用いた新しい芸術表現を模索してきたYCAM。両者のコラボレーションとなる本展では、師と弟子、講演者と聴衆、加害者と被害者といった、「京都学派」を取り巻く錯綜した関係を描き出し、VRによる登場人物への同一化を通して、歴史の再演を試みる。