EXHIBITIONS

ザ・トライアングル

湊茉莉:はるかなるながれ、ちそうたどりて

湊茉莉 方丈・ながれ Photo by Nacása & Partners Inc. © Mari Minato 2019 Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès

京都市京セラ美術館 ザ・トライアングル 上部 北西エントランス 撮影=来田猛

 京都市京セラ美術館が新進現代作家の作品を展示する企画展シリーズ「ザ・トライアングル」の第4弾では、パリを拠点に活動するアーティスト・湊茉莉を迎える。

 湊は1981年京都府生まれ。2006年京都市立芸術大学大学院美術研究科日本画専攻修了、2009年パリ国立高等美術学校ディプロマ取得。主な個展に「うつろひ、たゆたひといとなみ」(銀座メゾンエルメスフォーラム、東京、2019)、「Retours dʼOrient」(Galerie Eric Dupont、パリ、2019)などがある。

 これまで湊は、丁寧なリサーチを出発点に、光の変化や時間の流れを絵画やインスタレーションとして視覚化してきた。2006年の渡仏後、パリを拠点に日本とは異なる様々な文化をスケッチブックに描き留め、多様な文化の観察を通して、太古から続く人間の行為である「描く」こと、またそこから生み出される「イメージ」の普遍性を探っている。

 本展では、会場となるザ・トライアングルが立地する土地の考古資料から、この場所にかつて存在していた流路をモチーフに展示を構成。時間とともに変化を続ける環境や積み重なってきた歴史に、実際の水の流れを重ね合わせることで、その途上に生きる現在の私たちの存在を浮かび上がらせようとする。

※京都市京セラ美術館は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月25日〜5月31日まで臨時休館。最新情報は公式ウェブサイトへ。