EXHIBITIONS

魯山人館開館1周年記念

北大路魯山人-美と食の芸術家-

足立美術館の名品を一堂に

2021.04.01 - 06.30

北大路魯山人 雲錦鉢 1941(昭和16)頃 足立美術館蔵

北大路魯山人 金らむ手津本 1940(昭和15)頃 足立美術館蔵

北大路魯山人 於里遍長鉢 1953(昭和28)頃 足立美術館蔵

北大路魯山人 いろは屛風 1953(昭和28) 足立美術館蔵

 足立美術館 魯山人館の開館1周年を記念した展覧会「北大路魯山人-美と食の芸術家-」が開催される。
 
 非凡な美的感覚をもって美食を追求し、食の空間を芸術へと高めた北大路魯山人(1883~1959)。「食器は料理の着物」であると断言し、大胆で個性あふれる食の器を生み出した魯山人は、豪快な生き方も相まって、いまも多くの人を引きつけている。
 
 魯山人は京都に生まれ、独学で習得した書や篆刻が評判となり、食客として各地に滞在した。そのなかで美食への関心を深めていき、料理を盛るための器を作陶。最高の料理を最高の器でもてなすことにこだわり、さらに自ら花器や絵画なども制作して、食の空間すべてに美を追求した。

 魯山人が生涯に作品を手がけたとされる作品は20~30万点。足立美術館では開館当初より、魯山人の作品のなかでも優品を求めて収集を続けており、現在では約400点を所蔵している。

 本展は、2020年4月に開館した「魯山人館」の開館1周年を記念し、同館の魯山人コレクションのなかから、作品約120点を一堂に展示。魯山人の代表作の数々のほか、今回が初公開となる新収蔵品もあわせて紹介する。

 見どころのひとつは、鉢の内外に桜と紅葉を配した《雲錦鉢(うんきんばち)》。1941(昭和16年)頃につくられた作品で、魯山人はこの頃、両手で抱えるほどに大きく、豪快で華やかな鉢を好んで制作していた。本作では、雲錦模様に金彩の刷毛目を施すことによって、きらびやかな風情が生まれている。

 多彩な陶芸作品をはじめ、書や篆刻、絵画など、魯山人の美と食の世界を堪能してほしい。