EXHIBITIONS

第13回恵比寿映像祭 地域連携プロジェクト

映像の気持ち 小瀬村真美×三宅砂織

2021.02.04 - 02.27

小瀬村真美 Drape Ⅰ

三宅砂織 The missing shade22-2 撮影=木暮伸也

 小瀬村真美と三宅砂織の2人展「映像の気持ち」がMA2 Galleryで開催。「第13回恵比寿映像祭」(2月5日〜21日)の地域連携プロジェクトの一環として、「絵画」を出発点に写真と映像の両方を熟考し作品に昇華させるアーティスト2人を迎える。

 小瀬村は1975年神奈川県生まれ。2005年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程油画研究領域修了。西洋の静物画における陰影のある写実描写や、日本画の写生帖や四季図など平坦な写実描写に着目し制作を行ってきた。

 小瀬村は、西洋と東洋の特徴的な「絵画」の構図をベースに素材を採集することから始め、巧みに光を操りセットを組んで「実写」の記録的な映像を長時間かけて撮影。その記録を加工して「絵画」のような写真や映像をつくり上げる。絵画・写真・映像のかけ合わせに豊かな可能性を見出し、それぞれの空間や時間の構造を横断して「表現されてきたものとは何か」「観ることとは何か」という問いを「美」のなかで表現している。

 三宅は1975年岐阜県生まれ。2000年京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。「かつて人が見たもの、そしてそれを私たちが見る」という時間軸や空間性をもった営みへの興味を契機に、「フォトグラム」の技法を用いた作品を制作してきた。

 シートに複数のドローイングを描き、印画紙の上に重ね合わせて露光し、ドローイングの影を現像する。人々の眼差しに時代を超えて内在する「絵画的な像」を多声的に抽出する試みは、「私」が、時間と空間を超えて「他者」とつながる可能性、普遍的なものの提示である。

 本展では、「第13回恵比寿映像祭」のテーマ「映像の気持ち」に、2人のアーティストが向き合う。