EXHIBITIONS

イサム・ノグチ 発見の道

2021.04.24 - 08.29

イサム・ノグチ ねじれた柱 1982-84 玄武岩
イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵(公益財団法人イサム・ノグチ日本財団に永久貸与)
撮影=齋藤さだむ © 2020 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713

イサム・ノグチ © 朝日新聞社

イサム・ノグチ 黒い太陽 1967-69 スウェーデン産花崗岩 国立国際美術館蔵
© 2020 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713

イサム・ノグチ 「AKARI CLOUD」インスタレーション
イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)での展示風景(2018-19)
Photo by Nicholas Knight ©︎ The Noguchi Museum/ARS

イサム・ノグチ庭園美術館 石壁サークル 撮影=齋藤さだむ
© 2020 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713

 20世紀を代表する芸術家のひとり、イサム・ノグチの彫刻に真髄に迫る特別展「イサム・ノグチ 発見の道」が東京都美術館で開催される。

 彫刻、舞台芸術、家具、ランドスケープデザインなど様々な大きな足跡を残したイサム・ノグチ(1904〜1988)。20代で彫刻家コンスタンティン・ブランクーシと出会い、そのヴィジョンに影響を受けたノグチは、自然と通底する抽象のフォルムが生み出す世界を、生涯をかけて追い求めた。

 ノグチは、日本人の父よアメリカ人を母のあいだに生まれ、東西のあいだでアイデンティティの葛藤に苦しみながら、独自の彫刻哲学を打ち立てた。戦争によって、両親の祖国が互いに敵国になるという痛恨事を経験し、平和への強い願いを込めた作品も残している。

 建築家との協働など幅広く活動しながら、師ブランクーシの教えを指針に、一貫して彫刻家であり続けたノグチ。ニューヨークと香川・高松市牟礼(むれ)町にアトリエを構え、晩年に精魂を傾けて取り組んだ石の彫刻群は、ノグチの集大成であり、その芸術を体現している。

 本展では、ノグチが石匠の和泉正敏とともにつくり上げた、牟礼の石彫を東京で初めて展示。晩年の石の彫刻に至るノグチの「発見の道」を、日本文化への洞察と自身の作品世界への昇華といった様々な造形実験の苦闘とともにたどる。
 
 会場には、国内外の多数の大型作品をはじめ、光の彫刻「あかり」を含むおよそ90件が集結。「あかり」150灯を用いたインスタレーションや、折り紙などからインスピレーションを得た金属彫刻のシリーズ、遊具彫刻などの体感型展示も見どころとなる。

※「イサム・ノグチ 発見の道」展は6月1日より再開。最新情報・来館にあたっての注意事項は公式ウェブサイトへ。