EXHIBITIONS

H.R.GIGER×SORAYAMA

PARCO MUSEUM TOKYO
2020.12.26 - 2021.01.11

H.R.ギーガー Spritzpistolenzeichnung 1972 ©️ Estate of HR Giger

H.R.ギーガー Necronom 2005 ©️ Estate of HR Giger

空山基 Untitled 2020 © Hajime Sorayama Courtesy of NANZUKA

空山基 Sexy Robot_life size seating model_A 2017 © Hajime Sorayama Courtesy of NANZUKA

 空山基とH.R.ギーガーの2人展「H.R.GIGER×SORAYAMA」がPARCO MUSEUM TOKYOで開催。本展は、NANZUKAとイタリアのアートマガジン『KALEIDOSCOPE』編集長のアレッシオ・アスカーリが共同でキュレーションする。

 空山基は1947年愛媛県生まれ。人体と機械の美しさを追求し続け、幅広い作品を通して、国内外で伝説的なアーティストとしての地位を確立。輝かしいクロムメタルで覆われた官能的なアンドロイドを描いた「Sexy Robot」シリーズ(1978〜)は、83年に玄光社により出版された画集『Sexy Robot』で世に初めて紹介され、いまではコレクターのあいだでカルト的な存在となっている。

 99年にソニーのペットロボット「AIBO」のコンセプトデザインを担当し、国際的認知度を高めた。その後「AIBO」は数々の賞を受賞、現在、ニューヨーク近代美術館とスミソニアン博物館のパーマネントコレクションに収蔵されている。

 H.R.ギーガー(ハンス・リューディ・ギーガー、1940〜2014)は、スイスのシュルレアリスムの画家、彫刻家、舞台美術のデザイナー。生体機械的な生物や地球外的風景、不穏で性的な装置を描いたことで知られている。50年以上にわたるキャリアのなかで、ギーガーは家具、映画用小道具、版画、絵画、彫刻など多様なメディアの制作に時間を費やした。また、しばしば創作を行った展示ディスプレイや環境デザインは、没入型の「ヴンダーカンマー(驚異の部屋)」と呼べるほどの質を誇る。

 ギーガーの創造性はリドリー・スコットの映画『エイリアン』(1979)のコンセプトデザインで最高潮に達し、同作品はアカデミー賞において視覚効果賞を受賞。ギーガーの圧倒的な死と未来の世界観が突如世に知れ渡ることとなった。

 地球の反対側で生まれ、それぞれのキャリアを築いた2人のアーティスト。 両者ともに70〜80年代にかけて、エアブラシペインティングのマスターとして世に現れ、伝統的なアートの世界の境界を越えた影響力をもつクリエーターとなり、商業美術と個人表現の関係を曖昧にしてきた。2人の芸術性の中心には共通して、「AI」「永遠の命」そして「有機と装置の融合」への執拗な探究が存在している。

 本展では、空山とギーガーが、60年代後半から近年までに制作した絵画や彫刻作品が一堂に集結。東京の後、心斎橋PARCO EVENT HALL(2021年1月23日〜 2021年2月7日)へ巡回し、大阪における展覧会ではアーティスト・YOSHIROTTENが率いる「YAR」が空間デザインを担当する。

 また、『KALEIDOSCOPE』による本展の展覧会カタログを出版予定。空山へのインタビュー、またハンス・ウルリッヒ・オブリストとパトリック・フレイによるギーガーへのインタビューなどが収録される。