EXHIBITIONS

ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代

2020.11.21 - 2021.01.24

ベルナール・ビュフェ ピエロの顔 1961 ベルナール・ビュフェ美術館蔵 © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2020 E3886

ベルナール・ビュフェ カルメン 1962 ベルナール・ビュフェ美術館蔵 © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2020 E3886

 戦後フランスを代表する具象画家、ベルナール・ビュフェの回顧展「ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代」がBunkamura ザ・ミュージアムで開催される。

 ビュフェは1928年パリ生まれ。国立高等美術学校で学び、20歳の時に権威ある批評家賞を受賞して脚光を浴びる。58年にミューズであり、生涯の伴侶となるアナベルと出会い結婚。その後も国内外での個展開催を成功させ、レジオン・ドヌール勲章受章を贈られるなど名誉ある画業を歩んだ。しかし栄光の裏で自らの孤独は癒えることなく、99年に自死する。

 刺すような黒く鋭い描線による描写で見る者を引きつけるビュフェの具象画。その画風は、第二次世界大戦直後の不安と虚無感を原点とし、またジャン=ポール・サルトルの実存主義やアルベール・カミュの不条理の思想と呼応して、当時のフランスで一世を風靡した。抽象絵画が主流となっていくなかで人気作家となったビュフェは、批判されながらも自らの具象画を貫いた。そして近年、パリ市立近代美術館で本格的な回顧展が開かれるなど、その再評価が高まっている。

 本展は、先行きの見えない、いまの私たちと共通点のある時代を生き抜いたビュフェの作品世界を、「時代」をキーワードに振り返るもの。ベルナール・ビュフェ美術館(静岡)が所蔵する油彩を中心に、最大5メートルとなる大作などを含む約80作品を展示する。