EXHIBITIONS

アッセンブリッジ・ナゴヤ 2020

現代美術展「パノラマ庭園 -亜生態系へ-」

名古屋港~築地口エリア一帯
2020.10.24 - 12.13

山本高之と名古屋オリンピック・リサーチ・コレクティブ[N.O.R.C.] Days of Future Past アッセンブリッジ・ナゴヤ2019での展示風景 撮影=冨田了平

碓井ゆい 要求と抵抗 アッセンブリッジ・ナゴヤ2019での展示風景 撮影=冨田了平

ジェム カルテット コンサート 撮影=柴田祐希 アッセンブリッジ・ナゴヤ2019での演奏

アッセンブリッジ・ナゴヤ2019 「港まちブロックパーティー」 撮影=三浦知也

「アッセンブリッジ・ナゴヤ」は、名古屋の港まちを舞台とした音楽と現代美術のフェスティバル。2016年よりスタートし、音楽やアートを架け橋にまちと人々が出会い、つながる場をつくり出してきた。5回目の開催となる今回は、新型コロナウイルスによって文化や芸術にふれる機会が限られている現状を踏まえ、名古屋の港まちから多彩な音楽と現代美術のプログラムを発信・配信することで、豊かな時間を多くの人に届けることを目指す。

 アートプログラムは、2016年から継続している「パノラマ庭園」をテーマに展開。服部浩之(インディペンデントキュレーター/秋田公立美術大学 准教授)、青田真也(アーティスト)、吉田有里(アートコーディネーター/名古屋芸術大学准教授)の3名のディレクションのもと、今年は「つくる/うまれる場所」としての港まちという原点に立ち返り、まちなかの空き家を主な会場とするアッセンブリッジ・ナゴヤだからできるフェスティバルの規模や方法を改めて模索する。
 
 今回の参加アーティストは、上田良、L PACK.、折元立身、丸山のどか、三田村光土里、ミヤギフトシの6組。港まちに滞在する「MAT, Nagoya Studio Project」に参加した上田は、滞在期間中に制作した、風景にとどまらないまちの要素を取り入れた新作を中心に展示し、小田桐奨と中嶋哲矢によるユニット「L PACK.」は、空き家を再生させるプロジェクトの一環として、人々が集うカフェ「NUCO」をオープンする。

 折元は、アッセンブリッジ・ナゴヤ2019でも披露し、世界各地で行ってきた「おばあさんとのランチ」プロジェクトの2年間に及ぶ記録映像を公開。言葉や風景を表象的に切り取り、立体化してきた丸山は今回、港まちをはじめとした名古屋一帯の地域性と個人の経験を重ね合わせた新作インスタレーションを発表する。

「人が足を踏み入れられるドラマ」をテーマに制作してきた三田村は、海外に住む親しい友人たちとの再会をとらえた映像作品《Till We Meet Again》(2013)の上映とともに、会期中には旧・名古屋税関港寮で滞在制作を実施。そしてミヤギは港まちの複数の会場を使って、あいちトリエンナーレ2016で発表した映像インスタレーション《いなくなってしまった人たちのこと/The Dreams That Have Faded》と、その続編である、イタリアと名古屋港で撮影した新作《音と変身/Sounds, Metamorphoses》(愛知県美術館オリジナル映像作品)をインスタレーション形式で展示する。

 このほかにアートプログラムでは、名古屋の中部地区で建築を学ぶ有志の学生とともに、空き家問題、建築活動に取り組む「みなとまち空き家プロジェクト」が、アドバイザーに川勝真一(RADディレクター/建築リサーチャー)を迎え、5年間の活動をまとめるアーカイブ展示と、まちなかをめぐる「リノベーション屋台」を実施。また、本展を読み解くトークシリーズ「地域美学スタディ」や、現代美術展の参加アーティストたちによるアーティストトークなどのイベントも開催する。

※新型コロナウイルス感染症の予防対策や入場にあたっての注意事項、最新のスケジュールは公式ウェブサイトを要確認。