EXHIBITIONS

国立工芸館石川移転開館記念展Ⅰ

工の芸術― 素材・わざ・風土

2020.10.25 - 2021.01.11

松田権六 蒔絵螺鈿有職文筥(部分) 1960 東京国立近代美術館蔵 写真=森善之

鈴木長吉 十二の鷹(部分) 1893 東京国立近代美術館蔵 写真= エス・アンド・ティ フォト

七代錦光山宗兵衛 上絵金彩花鳥図蓋付飾壺 1884-97頃 東京国立近代美術館蔵 写真=森善之

板谷波山 氷華彩磁唐花文花瓶 1929 東京国立近代美術館蔵 写真=エス・アンド・ティ フォト

飯塚琅玕齋 花籃 あんこう 1957 東京国立近代美術館蔵 写真=森善之

富本憲吉 色絵草花文角鉢 1937 東京国立近代美術館蔵 写真=森善之

左から、舩木倭帆《プラントレーマー杯》《イチゴプラントレーマー杯》 制作年不詳 東京国立近代美術館蔵 写真=森善之

志村ふくみ 紬織着物 鈴虫(部分) 1959 東京国立近代美術館蔵 写真=森善之

桂盛行 鶉四分一打出水滴 1971 東京国立近代美術館蔵 写真=森善之

 東京国立近代美術館工芸館(通称・国立工芸館)の移転開館を記念した展覧会が開催。記念展の第1弾では、「素材」「わざ」「風土」に着目し、近代日本工芸の名作約130点を展示する。

 古くから花鳥風月など四季折々の自然の姿を意匠に取り入れてきた日本の工芸品は、作品そのものが自然の素材からつくられているという特色をもつ。それぞれの土地で生まれた素材に人が手を加え、生活のなかで息づいてきた工芸は、日本各地の「風土」によって多様に発展してきた。そして近年、それぞれの地方が培ってきた「風土」を新たにとらえ直す動きが注目されている。

 本展では、超絶技巧の名品《十二の鷹》(重要文化財)をはじめ、国立工芸館のコレクションから選りすぐった日本の近代工芸の精華を一挙公開。松田権六、板谷波山、富本憲吉、北大路魯山人ら、石川に縁のある作家の作品も交え、日本の近代化のなかで工芸家たちがどのように「素材―自然」と向き合ってきたか、また時代とともに「自然のイメージ」をどのようにとえ直してきたか、つねに更新されていく日本の「風土」を紹介する。