EXHIBITIONS

御大典記念 特別展

よみがえる正倉院宝物

─ 再現模造にみる天平の技 ─

2020.07.04 - 09.06

模造 螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ) 正倉院事務所蔵

模造 黄銅合子(おうどうのごうす) 正倉院事務所蔵

模造 赤地唐花文錦(文様部分) 正倉院事務所蔵

模造 黄金瑠璃鈿背十二稜鏡(おうごんるりでんはいのじゅうにりょうきょう) 背 正倉院事務所蔵

模造 螺鈿玉帯箱(らでんぎょくたいばこ) 東京国立博物館蔵

模造 螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)の螺鈿に線彫りを施している様子

模造 黄銅合子(おうどうのごうす)の表面を削っている様子

正倉院正倉 外観

 天皇陛下の御即位をはじめとする皇室の御慶事を記念し、正倉院宝物の精巧な再現模造の数々を一堂に公開する展覧会が開催される。

 正倉院宝物とは、奈良・東大寺の倉であった正倉院正倉に伝えられた約9000件におよぶ品々。聖武天皇ゆかりの品をはじめ、その多くが奈良時代につくられ、調度品、楽器、遊戯具、武器・武具、文房具、仏具、文書、染織品など多彩な分野におよぶ。また、そのなかには、西域や唐からもたらされた国際色豊かな品々も含まれるなど、天平文化華やかなりし当時の東西交流もうかがい知ることができる。

 しかし、1300年近くという長い時代を経て今日にいたる正倉院宝物は、きわめて脆弱であるため、毎年秋に奈良で開催される「正倉院展」で一部が展覧される以外はほとんど公開されてこなかった。

 そこで、正倉院宝物の本格的な模造製作が明治時代に奈良・東大寺で開催された奈良博覧会を機に始められた。当初、模造製作は修理と一体の事業として取り組まれ、1972(昭和47)年からは宝物を管理する宮内庁正倉院事務所によって宝物の材料や技法、構造の忠実な再現に重点をおいた模造製作が行われるようになる。以来、人間国宝ら伝統技術保持者の熟練の技と最新の調査・研究成果との融合により、優れた作品が数多く生み出されてきた。

 本展は、これまでに製作された数百点におよぶ再現模造作品のなかから、調度品・楽器・染織品・仏具など多彩な分野の選りすぐりの逸品を一堂に集めて公開するもの。さらに、平成最後の年に8年がかりで完成した「模造 螺鈿紫檀五絃琵琶」を筆頭に、 近年製作された再現模造作品などを通し、天平の美と技に触れ、日本の伝統技術を継承することの意義を感じられる展覧会となる(会期中に展示替えあり)。

 なお本展は奈良国立博物館での開催を皮切りに、名古屋、沖縄、福岡、新潟、北海道、東京など全国を巡回予定。