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EXHIBITIONS

作品のない展示室

2020.07.04 - 08.27

展示室

 世界がこれまでに経験したことのない大厄災の時を迎え、社会の隅々まで影響がおよぶなかで、美術館のあり方が見つめ直されている。

 世田谷美術館はそのような現状を考慮して、「作品のない展示室」を開催。ギャラリーに「建築と自然とパフォーマンス」と題したコーナーを設け、開館以来行ってきた音楽会やダンス公演をはじめ、これまでの活動の一端を紹介する。

 1986年に開館した世田谷美術館は、四季折々に様々な表情をみせる都立砧公園のなかに位置。建物は建築家の内井昭蔵(1933〜2002)によって、「生活空間としての美術館」「オープンシステムとしての美術館」「公園美術館としての美術館」をコンセプトに設計された。このコンセプトに基づき、美術館には多くの窓があり、また来館者を迎えるのも正面玄関に限らず、周囲の環境と一体化しようとする開放的な建物になっている。

 美術館はたんに収集し、保存し、展示するだけではなく、音楽、演劇といったパフォーマンスなど、様々なジャンルの総合化の機能も重要視される施設。本展では、美術館本来のあり方を問いながら、同館はユニークな建築空間と館外の自然環境を活かしつつ実施されてきたパフォーマンスの記録写真や記録映像、またちらしなどのアーカイヴ資料をあわせて公開する。