EXHIBITIONS

ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ

2020.06.27 - 08.30

ショーン・タン 『アライバル』(河出書房新社)より 2004~2006

ショーン・タン 『アライバル』(河出書房新社)より 2004~2006

ショーン・タン 『ロストシング』(河出書房新社)より 1999

 絵本『アライバル』などで知られるオーストラリア出身の作家ショーン・タンは、人間と共生する不思議な生き物や、戦争や災害のメタファーのようなモンスターが登場する独創的な世界観と表現力で人々を魅了してきた。

 約5年におよぶ制作期間を経て、2006年に発表した『アライバル』は、移民をテーマにした文字のない絵本。テキストを使わずに織密にイメージを組み立ててつくり上げたこの物語は、瞬く間に国境を越えて人々を驚かせ、現在23の言語で出版されている。

 タンはイラストレーター、絵本作家として活躍するいっぽう、舞台監督、映画のコンセプト・アーティストの顔も持ち、2011年には、約9年の歳月をかけて映画化した『ロスト・シング』でアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞している。

 日本初の大規模巡回展となる本展では、最初に絵と文を手がけた絵本『ロスト・シング』から最新作までの原画と習作のほか、イメージの源泉となったスケッチや、映像作品、変な生き物をかたどった立体作品を含む作品約130点を展示。さらに、創作の秘密が垣間見られるアトリエも再現し、タンが描く奇妙で懐かしい世界を紹介する。