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EXHIBITIONS

高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの

2020.08.01 - 09.08, 2020.09.21 - 09.27

『かぐや姫の物語』 © 2013 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK

『太陽の王子 ホルスの大冒険』ヒルダ(色紙) © 東映

『アルプスの少女ハイジ』絵コンテ © ZUIYO『アルプスの少女ハイジ』公式ホームページ http://www.heidi.ne.jp/

『アルプスの少女ハイジ』セル付き背景画 © ZUIYO『アルプスの少女ハイジ』公式ホームページ http://www.heidi.ne.jp/

『火垂るの墓』色指定 © 野坂昭如/新潮社, 1988

『平成狸合戦ぽんぽこ』セル付き背景画 © 1994 畑事務所・Studio Ghibli・NH

『火垂るの墓』『かぐや姫の物語』をはじめ、数々の名作を生み出したアニメーション監督・高畑勲。戦後日本のアニメーションを牽引し、いまも国内外の制作者に大きな影響を与えている。

 高畑は、初の長編演出(監督)となった『太陽の王子ホルスの大冒険』(1968)で、悪魔と闘う人々の団結という困難な主題に挑戦し、その後、次々とアニメーションにおける新しい表現を開拓。70年代には、『アルプスの少女ハイジ』(1974)、『赤毛のアン』(1979)などのテレビ名作シリーズで、日常生活を丹念に描き出す手法を通して、冒険ファンタジーとは異なる豊かな人間ドラマのかたちを完成させた。

 80年代に入ると舞台を日本に移し、『じゃりン子チエ』(1981)、『セロ弾きのゴーシュ』(1982)、『火垂るの墓』(1988)などにおいて、日本の風土や庶民生活のリアリティを表現するとともに、日本人の戦中・戦後の歴史を再考するようなスケールの大きな作品を制作した。

 そして遺作となった「かぐや姫の物語」(2013)では、デジタル技術を駆使して手描きの線を生かした水彩画風の描法に挑戦。従来のセル様式とは一線を画した表現上の革新に達した。

 本展は、つねに今日的なテーマを模索し、それにふさわしい新しい表現方法を追求した高畑の創造の軌跡をたどるもの。絵を描かない高畑の「演出」というポイントに注目し、制作ノートや絵コンテなど多数の未公開資料を紹介しながら、多面的な作品世界の秘密に迫る。

※本展は会期を8月1日~9月27日に変更し、日時予約制で開催(当初の会期は4月29日~6月21日)。入場にあたっての注意事項、最新情報は公式ウェブサイトにて案内。