EXHIBITIONS
スクリプカリウ落合安奈「Imagine opposite shore ー 対岸を想う」
スクリプカリウ落合安奈は、インスタレーション、写真、映像、ペインティングといった様々な素材と技法を⽤いて制作するアーティスト。2016年に東京藝大油画専攻を首席・美術学部総代で卒業後、彫刻専攻博士課程に在籍、東京での個展開催や、フランスやベトナムの展覧会に参加するなど今後の活躍が期待されている。
顔を覆われたポートレイトや果てのない海景。日本とルーマニアにルーツを持つ作家の出自意識が強く反映された作品群には、匿名性や不思議な哀感を湛え、人と人のあいだにある隔たりを受け⽌め、想像⼒によって乗り越えようとする姿勢が現れている。
「Imagine opposite shore ―対岸を想う」と題された本展では、呼吸によって、人々が過去・現在・未来、国や民族を超えて互いの成分を行き来させていることを可視化した「明滅する輪郭」シリーズや、海の持つ「繋ぐ」「阻む」という二面性に着目した「向こうの、うらがわ」、猿と人の似通いから、異文化の摩擦を緩和する糸口を探る「mirrors」などのシリーズの新作を発表する。
「日本には、『対岸の火事』ということわざがあります。 対岸で起こる火事は、自分にはその災いが及ばないことから、関係がなく、何の痛みもないことを表しています。このことわざは、昨今の世界で加速する分断、マイノリティーや弱者に対する充分とは言えない社会の対応を思い浮かばせます。対岸の火事を、自分には関係ないことと割り切り、気に留めないことは、楽なことかもしれません。しかし人間には同時に、目の前にはないものや、遠く離れた対岸のことを想像する力が備わっています(スクリプカリウ落合安奈)」
顔を覆われたポートレイトや果てのない海景。日本とルーマニアにルーツを持つ作家の出自意識が強く反映された作品群には、匿名性や不思議な哀感を湛え、人と人のあいだにある隔たりを受け⽌め、想像⼒によって乗り越えようとする姿勢が現れている。
「Imagine opposite shore ―対岸を想う」と題された本展では、呼吸によって、人々が過去・現在・未来、国や民族を超えて互いの成分を行き来させていることを可視化した「明滅する輪郭」シリーズや、海の持つ「繋ぐ」「阻む」という二面性に着目した「向こうの、うらがわ」、猿と人の似通いから、異文化の摩擦を緩和する糸口を探る「mirrors」などのシリーズの新作を発表する。
「日本には、『対岸の火事』ということわざがあります。 対岸で起こる火事は、自分にはその災いが及ばないことから、関係がなく、何の痛みもないことを表しています。このことわざは、昨今の世界で加速する分断、マイノリティーや弱者に対する充分とは言えない社会の対応を思い浮かばせます。対岸の火事を、自分には関係ないことと割り切り、気に留めないことは、楽なことかもしれません。しかし人間には同時に、目の前にはないものや、遠く離れた対岸のことを想像する力が備わっています(スクリプカリウ落合安奈)」