EXHIBITIONS

毒山凡太朗「SAKURA」

2020.06.10 - 07.05

毒山凡太朗 SAKURA 参考画像 2019

 福島県出身のアーティスト・毒山凡太朗(どくやま・ぼんたろう)の個展が開催される。

 毒山は、2011年3月11日の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故をきっかけに、サラリーマンからアーティストに転身した経歴を持つ。故郷の福島が一変する状況を目にし、それまで自分自身が信じてきたことや社会が正しいとしてきた価値観を見直すべく、作品制作を開始した。

 毒山の制作手法は主に、特定のコミュニティに介入し、インタビューを行う対話形式の映像作品。忘れ去られた過去の記憶や場所、現代社会において埋もれてしまった問題を、改めて掘り起こすように調査する独特の切り口は、鑑賞者にショックと発見を与える。近年では「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館、東京)やあいちトリエンナーレ2019など、国内の展覧会に多数出展。海外の展覧会にも招聘されるなど注目を集めている。

 本展は、あいちトリエンナーレ2019で毒山が展開した映像3作品と、愛知の土産品として知られる菓子「ういろう」でつくった桜木のインスタレーションで構成。満開の桜と散っていく桜の両方に風情を感じる日本人の情緒はどこから由来するのか。「桜」に焦点を当て、表現の自由と表現者としての文化的役割について考察を試みる。

※LEESAYAは6月10日よりオープンを再開。これに伴い休止していた毒山凡太朗 個展「SAKURA」を7月5日まで延長して開催(当初の会期は3月20日〜4月12日)。最新情報は公式ウェブサイトにて案内。