山沢栄子「What I am doing」

　1930年代から半世紀以上にわたって、日本における女性写真家のパイオニアとして活躍した山沢栄子。2019年に、その生誕120年を記念した大規模個展「私の現代」が西宮市大谷記念美術館と東京都写真美術館で開催され、好評のうちに終わった。

　山沢は1899年大阪府生まれ。1920年代にアメリカで写真を学ぶ。初期は主にポートレイトを手がけ、50年代から写真による造形の実験を重ねて独自の表現を確立した。晩年の80年代には、自身の過去の作品や写真機材を移し込んだ「私の現代/What I am doing」シリーズを代表作に、抽象絵画を思わせる写真作品で知られるようになった。

　本展では、回顧展「私の現代」に出品された大判サイズの作品とともに、小サイズのプリントをあわせて展示する。