EXHIBITIONS

熊谷守一 いのちを見つめて

2019.11.16 - 2020.01.13

熊谷守一 豆に蟻 1958

熊谷守一 宵月 1966 佐助文庫蔵

熊谷守一 畳の裸婦 1962 東京国立近代美術館

 身近な生きものや風景にまなざしを、生涯にわたって描いた画家・熊谷守一。岐阜に生まれた熊谷は、幼少期から絵を描くことが好きで、東京美術学校(現・東京藝術大学)で黒田清輝らに伝統的な絵画を学んだ。

 熊谷は97歳まで続く長い画業のなかで画風をゆるやかに変化させ、70歳を過ぎて、簡潔な色彩とはっきりした輪郭線による「モリカズ様式」を確立。動植物や風景を描き続けながら、年を追うごとにその形態や構図は洗練されていった。

 熊谷の油彩画を中心に初期から晩年までの作品を展示する本展では、花や虫などの愛らしい作品を通して、画家の眼差しとその造形性に注目。書や日本画、素描もあわせて紹介し、小さな「いのち」を見つめた画業を回顧する。