没後60年　北大路魯山人 展　―和の美を問う―

　生涯をかけて日本の美と食を追求した北大路魯山人。京都・上賀茂の社家に生まれ、書家、篆刻家として出発した北大路は、陶芸をはじめ、書・絵画・漆芸・篆刻・金工など個性溢れる作品を数多く生み出した。

　また、美食の追求からその実践の場として「美食倶楽部」「星岡茶寮」を創設。当時第一級の政治家や財界人、文化人らをもてなした。鎌倉の「星岡窯」で、魯山人自身が使うために生み出された器の美しさは、日本だけでなく海外でも高く評価されている。

　その後、1954（昭和29）年のニューヨーク近代美術館での「魯山人展」を皮切りに、国内外で多くの展覧会を開催。魯山人のつくり上げた美学は、没後半世紀を経たいまもなお人々を魅了している。

　魯山人の「和の美を問う」ことをテーマとした本展では、魯山人の作品から厳選した約100点を、「陶」「書」「茶」「花」「食」の5つのテーマに分け、古材や更紗、根来などと取り合わせて展示する。