EXHIBITIONS

興梠優護「Roots」

2019.11.11 - 11.22

興梠優護 R10 2019

興梠優護 R11 2019

興梠優護 / 95 2019

 興梠優護(こうろぎ・ゆうご)は1982年熊本県生まれのアーティスト。主に人体をモチーフに、具象と抽象の境界を思わせる筆致の絵画によって、言葉では表現できない感情の揺らぎを表現してきた。

 今年、日本初の銅版画がつくられた長崎県南島原市にあるアーティスト・イン・レジデンス施設「アートヴィレッジ・シラキノ」にて、3ヶ月間の滞在制作を行った興梠。そこで根元性や原始性をテーマに、シンナーによる写真転写を主な技法として用い、写真と版画の両方の特性を併せ持つモノトーンの作品の制作に取り組んだ。

 本展では、アートヴィレッジ・シラキノで制作された新作を発表。モノトーンの版画作品は、あえて刷りムラやある種のノイズを導入することで、偶然性を介入させ、昔のアルバムや古いネガフィルムのようなノスタルジーを想起させる。

 あわせて、色彩を意識した油彩画を展示。木々の木漏れ日が人体と溶け合うイメージの作品や、顔が光に覆われた匿名の人物を描き、人間の根源を探った作品が並ぶ。