EXHIBITIONS
奈良原一高のスペイン―約束の旅
人間が生きる条件とは何かを思索し続けた戦後日本写真の巨匠・奈良原一高の展覧会が開催される。
奈良原は1931年福岡県生まれ。50年代後半に極限状況での生を見つめる「人間の土地」や「王国」シリーズを発表し、戦後日本の新しい写真表現を切り開いたことで知られている。
奈良原は、自らの表現を問い直そうと1960年代に渡欧。パリに滞在しファッション写真を撮りながら、スペインの闘牛場に通う濃密な日々を、静謐な『ヨーロッパ・静止した時間』(1967)と躍動感のある『スペイン 偉大なる午後』(1969)という対照的な2つの写真集にまとめた。前者は芸術選奨文部大臣賞と毎日芸術賞を受賞するなど脚光を浴びるいっぽうで、後者はほとんど注目されることはなかった。
本展は、この『スペイン 偉大なる午後』に焦点を当て、未開拓の魅力を引き出す試み。奈良原自らが「約束の旅」と名づけた作品群を、熱気と賑わいが溢れる「祭り」、車で旅するなかで出会った人々の姿を写した「町と村」、舞いのイメージを纏わせた「闘牛」の構成で紹介する。
また、『ヨーロッパ・静止した時間』より厳選した15点を対比させて展示。加えて、『スペイン 偉大なる午後』のデザインを手がけたグラフィックデザイナーの勝井三雄と奈良原による挑戦的なコラボレーションの特集も見どころとなる。
奈良原は1931年福岡県生まれ。50年代後半に極限状況での生を見つめる「人間の土地」や「王国」シリーズを発表し、戦後日本の新しい写真表現を切り開いたことで知られている。
奈良原は、自らの表現を問い直そうと1960年代に渡欧。パリに滞在しファッション写真を撮りながら、スペインの闘牛場に通う濃密な日々を、静謐な『ヨーロッパ・静止した時間』(1967)と躍動感のある『スペイン 偉大なる午後』(1969)という対照的な2つの写真集にまとめた。前者は芸術選奨文部大臣賞と毎日芸術賞を受賞するなど脚光を浴びるいっぽうで、後者はほとんど注目されることはなかった。
本展は、この『スペイン 偉大なる午後』に焦点を当て、未開拓の魅力を引き出す試み。奈良原自らが「約束の旅」と名づけた作品群を、熱気と賑わいが溢れる「祭り」、車で旅するなかで出会った人々の姿を写した「町と村」、舞いのイメージを纏わせた「闘牛」の構成で紹介する。
また、『ヨーロッパ・静止した時間』より厳選した15点を対比させて展示。加えて、『スペイン 偉大なる午後』のデザインを手がけたグラフィックデザイナーの勝井三雄と奈良原による挑戦的なコラボレーションの特集も見どころとなる。