EXHIBITIONS

富野由悠季の世界

2019.10.12 - 12.22

『機動戦士ガンダム』 © 創通・サンライズ

『機動戦士ガンダム』(1979)、『ガンダム Gのレコンギスタ』(2014)などのガンダムシリーズを代表作に、数多くのオリジナルアニメーションの総監督を務めてきた富野由悠季。国内外のアニメーションに多大な影響を与えてきたその仕事を回顧し、検証する初の展覧会が開催されている。

 富野は1941年神奈川県生まれ。手塚治虫創設の「虫プロダクション」に64年に入社し、『鉄腕アトム』の多くのエピソードの演出を担当した。「虫プロダクション」退職後、一時CM制作の仕事に携わったのちアニメの現場復帰。様々な作品の演出と絵コンテを担当し、「コンテ千本切りの富野」と評される。

 72年、手塚のマンガを原作としたアニメ『海のトリトン』で総監督デビュー。続いてサンライズ初のアニメ作品『無敵超人ザンボット3』(1977)の総監督・原作(鈴木良武との共同)を務め、79年に『機動戦士ガンダム』を世に送り出す。近未来を舞台に、戦争下のリアルな人間模様を描写した1作目から最新作『ガンダム Gのレコンギスタ』までと続き、国内外のファンを魅了している。

 同展では、「虫プロダクション」入社から現在に至るまで、55年にわたる富野の仕事を通覧。これまでに監督してきた各作品の映像的特質、時代や人々に訴えてきたメッセージを、富野直筆の絵コンテや協働したクリエイターたちのデザイン画、また原画や撮影に使われたセル画などの原資料をもとにひも解く。

 また、自らの作品世界を掘り下げた小説、主題歌などの作詞、様々な分野の人々との対話といった富野の多彩な活動にも注目する。