EXHIBITIONS

日本の原影

2019.10.30 - 2020.02.24

花巻温泉にて 1957

縄文土偶 1956 撮影=岡本太郎

ガジュマルの古木 1959 撮影=岡本太郎

羽黒山の参道 1962 撮影=岡本太郎

山頂を目指す老婆たち 1962 撮影=岡本太郎

「日本とは何か」を問い続けた岡本太郎。日本で闘うことを決意してパリから戻った太郎は、1951年11月に上野の東京国立博物館で偶然、縄文土器を目にし、わびさび型の日本の伝統美とは真逆の美意識を見出した。

 これこそが「ほんとうの日本」だと直観し、日本文化の本質を探す旅に出た太郎は、最初に訪れた東北で「呪術の心」が息づく「原始日本」と遭遇。貧しく閉ざされた冬の東北で、原日本の片影に触れた。59年には返還前の沖縄を訪問。清冽に生きる沖縄の人々に、現代人がどこかへ押しやってしまった日本人の、そして自分自身の根源を見た。縄文と東北、そして沖縄とめぐる太郎の旅は、忘れられた日本を発見する旅となった。

 本展は、太郎が自ら撮影した写真をもとにこの旅を追体験するもの。ジャズベーシスト須川崇志によるオリジナル曲が流れる空間で、太郎の目がとらえた「ぶ厚く豊かな日本」を展覧する。