EXHIBITIONS

凹凸に降る -ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション 2019年冬の企画展-

小野耕石、滝澤徹也、中谷ミチコ、浜口陽三

浜口陽三 さくらんぼとアスパラガス 1973

小野耕石 この本が知的要素のみで成り立った今それは美と芸の学術として成立しただ純粋に絵を描く事を失ったものである。 2004

滝澤徹也 蜘蛛の巣 2003

中谷ミチコ 「川の向こう 舟を呼ぶ声」より 2018 Photo by Hayato Wakabayashi

 スクリーンプリントを刷り重ね、観念的な立体版画をつくり上げる小野耕石。蜘蛛の巣や北欧の岩石を刷りとり、時や歴史を象る滝澤徹也、石膏を型に樹脂を流し込み、心の結晶を幻影として見せる中谷ミチコ。そして銅の表面を限りなく細かく刻むメゾチントの技法にたどり着き、やわらかな銅版画を生み出した浜口陽三。

 本展では、浜口の銅版画と、3人の現代作家の作品を紹介する。はっきりとかたちをとらない大切なものを手のひらで探り、表面の凹凸や技法での凹凸を駆使した作品が集結。とらわれないものを求め続ける現代の静かな象形を感じることができるだろう。

 会期中には、出品作家3名と美学者の谷川渥(たにがわ・あつし)を迎えたトークも行われる。