EXHIBITIONS

ワン・ビン

2019.09.07 - 10.19

ワン・ビン 15 Hours 2017 © Wang Bing Courtesy of the artist and Galerie Chantal Crousel, Paris, and Take Ninagawa, Tokyo

 中国の出稼ぎ労働者をとらえたドキュメンタリー映画『苦い銭』で、ヴェネチア国際映画祭脚本賞を受賞したことでも注目を集めた、王兵(ワン・ビン)の個展が開催される。

 王は1967年中国・陝西省西安生まれ。魯迅美術学院写真学科、北京電影学院映像学科で学び、18年に映画映像作家として活動を開始した。99年から4年をかけ、中国の重工業地帯・瀋陽にある鉄西区の撮影に挑み、2003年に9時間の大作『鉄西区』を公開。客観的な視点でとらえられた画期的なドキュメンタリーとして、山形国際ドキュメンタリー映画祭、マルセイユ国際ドキュメンタリー映画祭、ナント三大陸映画祭などでグランプリに選ばれた。

 代表作に、反右派闘争の悲劇を描いた初の長編劇映画『無言歌』(2009)、幼い姉妹の生活を追った『三姉妹~雲南の子』(2012)、中国・雲南省の精神病院を撮影した『収容病棟』(2013)などがあり、いずれも世界各地で多くの賞を受賞。また、2014年にポンピドゥー・センター(パリ)での回顧展が開催されたほか、ヴェネチア・ビエンナーレ(2017)、ドクメンタ14(2017)などの国際展に招聘され、美術の分野でもその映像作品が高く評価されている。

 本展では、ドクメンタ14で上映された『15 Hours』(2017)、『Man with no name』(2009)の映像作品を紹介。『15 Hours』は本展が日本初公開となる。