EXHIBITIONS

KAC Curatorial Research Program vol.01

逡巡のための風景

2019.02.19 - 03.31

山山アートセンターをつくる Photo by Tomomi KITAMI

 関西圏外を拠点に活動する若手キュレーターが京都府のローカルな問題と出会い、新たな視点でキュレーションを実践するプログラム「KAC Curatorial Research Program」。第1弾では東京・墨田区を拠点に活動するインディペンデント・キュレーターの青木彬を招いた展覧会を開催する。

 青木は1989年生まれ。首都大学東京インダストリアルアートコース卒業、プロジェクトスクール@3331第一期修了。近年の主な企画に、「『未来へ号』で行く清里現代美術館バスツアー! 」(清里現代美術館、山梨、2014)、「中島晴矢個展 麻布逍遥」(SNOW Contemporary、東京、2017)、「根をもつことと翼をもつこと」(天王洲アイル、東京、2017)などがある。

 本展には、自身が直面した制度への違和感や閉塞感を、周囲の人々との対話によって越境することを試みるイシワタマリ、約40年前に無住集落となった村を舞台に、現代の暮らし方を考察する大見新村プロジェクト、 農業・医療・福祉など様々な領域でフィールドワークを行い、人が生きることの根源を問う八幡亜樹の3組を迎える。

 また、特別企画として京都市上賀茂を拠点に、これまでの「障害福祉」の枠を超えて「一市民」として既存の仕事観や芸術観に疑問符を投げかけながら様々な活動を展開するNPO法人スウィングが参加する。

 食べる、住む、労わるといった暮らしの中の出来事と接続した作家たちの取り組みを通して、複雑化する現代において不明瞭となった「私」を思考する「逡巡のための風景」が立ち上がるだろう。