EXHIBITIONS

ほとけをめぐる花の美術

2019.02.28 - 03.31

愛染曼荼羅 日本・鎌倉時代 13世紀 根津美術館蔵 重要文化財

愛染曼荼羅(部分) 日本・鎌倉時代 13世紀 根津美術館蔵 重要文化財

聖観音像 日本・鎌倉時代 13世紀 根津美術館蔵 重要美術品

釈迦八相図(部分) 日本・鎌倉時代 13世紀 MOA美術館蔵 重要文化財

蓮池蒔絵経箱 日本・平安時代 12世紀 根津術館蔵

 紀元前5世紀頃、インドとネパールの国境に近いルンビニ林園で美しく花開いた無憂樹(むゆうじゅ)の下で、後に釈迦牟尼(しゃかむに)の名で知られる、釈迦族の王子が生まれた。この世で苦しむ人々を救う道を求めた釈迦は、35歳のとき、緑豊かな菩提樹の木陰で行った瞑想により、仏道に目覚める。長きにわたる巡歴の末、クシナガラの沙羅の木立の中で最期のときを迎えた釈迦の生涯は、つねに生命感あふれる花樹に彩られていた。
 
 本展は「花」に着目し、優美華麗なイメージを伴うことで教えを鮮やかに印象づけた、仏教の絵画と工芸を紹介。泥水の中で清らかに咲き、仏教のシンボルともなっている蓮華をはじめ、無憂樹、沙羅、想像上の花である宝相華、金銀の宝珠でできた宝樹、さらにこの世の浄土とみなされる日本の聖地に咲くという桜の花にまで視野を広げ、30件の仏画を展示する。工芸品では、蓮華をあしらった経箱や華鬘、華籠、経机など約10件が並ぶ。