EXHIBITIONS

バールティ・ケール「Djinns, things, places」

2018.11.14 - 12.15

展示風景 Photo by Kei Okano

展示風景 Photo by Kei Okano

展示風景 Photo by Kei Okano

 シュルレアリスム、物語、物事の本質との揺るぎない結びつきを見せるペインティングやスカルプチャー、レディメイド、インスタレーションを手がけてきたインド在住のアーティスト、バールティ・ケールの日本初個展。

 ケールは1969年ロンドン生まれ。現在、ニューデリーを拠点に活動。これまで数多くの個展を開催し、世界各地の美術館やギャラリーでのグループ展で出品してきた。日本では、2008年の森美術館でのグループ展「チャロー! インディア:インド美術の新時代」に参加。ヒンドゥー教徒の女性が結婚後に額に施す装飾物「ビンディ」を精子のかたちに置き換え、うずくまる雌のゾウの皮膚に蔓延らせた立体作品《その皮膚は己の言語ではない言葉を語る》を発表し、インドで感じた男尊女卑への違和感を表現した。

 本展タイトルの「Djinns, things, places」は精霊、モノ、場所を意味し、現代的なトピックを扱った展覧会になるとともに、シャーマンのように神話的な題材を扱ってきた、ケールのマジックリアリズム的実践の根本理念が示されるという。
 
 ペロタン東京の「砕かれた」ウィンドウ・ファサードに対する空間的応答として、これまでの飾り立てた額装とは異なる、簡素で滑らかなエッジの鏡による作品《Algorithm for Refusal》を配置するほか、時間の痕跡のみならず、記号論的なコードとしてビンディを用いた一連の地図《Points of departure》、ちぐはぐなスカルプチャー《The intermediaries》を展示。いずれの作品も共通して「不確定な場所」という概念に基づいている。