EXHIBITIONS

エキゾティック×モダン

アール・デコと異境への眼差し

2019.01.22 - 03.31

ジョルジュ・バルビエ 素晴らしい人:ウォルトのイブニング・ドレス(『ガゼット・デュ・ボン・トン』より) 1924-25 東京都庭園美術館蔵

ヴィクトル・デムール 1931年パリ国際植民地博覧会 1931 ×△○BA-TSU ART GALLERY蔵

ポール・ポワレ ローブ 1920頃 藤田真理子、ポール・ジュリアン・アレキサンダー蔵 Mariko Fujita, Paul Alexander / Photo : Tamiko Tanaka(Tami Art Ltd.)

ヴァン クリーフ & アーペル 上は《エジプト風ブローチ》(1925)、下は《エジプト風ブレスレット》(1924) ヴァン クリーフ&アーペル蔵 © Van Cleef & Arpels

フランソワ・ポンポン シロクマ 1923-33 群馬県立館林美術館

 両大戦間期と言われる1920~30年代のフランスでは、美術やファッション、宝飾、家具などの装飾に新しい美意識が生まれ「アール・デコ」と呼ばれる様式が生まれた。

 ファッションでは、ポール・ポワレによる中近東やアジアの民族衣装から着想を得た衣服、1922年のツタンカーメン王墓の発見を機とするエジプトブームを反映したジュエリー。美術では、漆芸家の菅原精造に学んだジャン・デュナンの工芸品や東洋に倣った陶磁器、自ら異国に赴いた芸術家たちによるダイナミックな絵画や彫刻など、かたち・素材・技術において非ヨーロッパ圏の芸術の応用が見られる。

 またパリでは、アメリカの黒人歌手・ダンサー、ジョセフィン・ベイカーの活躍や、31年の「国際植民地博覧会」開催、珍しい動物がもたらされた動物園の人気など、エキゾティックで活力あるシーンが都市を賑わせた。

 本展では、この時代の装飾スタイル「アール・デコ」のモダンの源のひとつとして、「エキゾティック」な要素に着目。 フランス所蔵の国内初公開作品を含む、衣装、ジュエリー、家具や工芸品、雑誌・ポスター、彫刻、絵画など、国内外の作品約90点を通して、アール・デコにおける異境への眼差しに目を向ける。