EXHIBITIONS
多和田有希「悪魔祓い、系統樹、神経の森」
人間の精神的治癒のシステムをテーマに写真作品の制作を行う多和田有希。芸術療法や民間信仰のリサーチに基づき、作家自らが撮影した写真表面を削る、燃やすといった独自の手法が用いられた作品群は、写真の物質性を強調し、本来写真術が持っていたアウラまたは魔術的な力を逆説的に浮き彫りにしている。
そのなかで、イメージの断片を複数のレイヤー状にコラージュしたシリーズ「Shadow Dance」(2012-)は、自画像であると同時に、焼失の行為を協働した自身の母系家族との自伝的物語をつむぐ実践を提示。また、打ち寄せる波のイメージを母とともに焼いた「I am in You」(2015-)は、東日本大震災以降に作家が強く抱いた恐れを癒していく過程で生み出された。
本展では、「I am in You」、同じイメージに異なる加工を施した《ID(transition)》(2016)、そして「Shadow Dance」を発展させた新シリーズ「Family Ritual」(2018)を中心に展示。前作と比べて、公立図書館のアーカイブスなどから流用したファウンド・フォトを多く交えた新作は、無関係であったイメージの断片が混合体となって生を獲得する。
そのなかで、イメージの断片を複数のレイヤー状にコラージュしたシリーズ「Shadow Dance」(2012-)は、自画像であると同時に、焼失の行為を協働した自身の母系家族との自伝的物語をつむぐ実践を提示。また、打ち寄せる波のイメージを母とともに焼いた「I am in You」(2015-)は、東日本大震災以降に作家が強く抱いた恐れを癒していく過程で生み出された。
本展では、「I am in You」、同じイメージに異なる加工を施した《ID(transition)》(2016)、そして「Shadow Dance」を発展させた新シリーズ「Family Ritual」(2018)を中心に展示。前作と比べて、公立図書館のアーカイブスなどから流用したファウンド・フォトを多く交えた新作は、無関係であったイメージの断片が混合体となって生を獲得する。