EXHIBITIONS

東京国立博物館・フィラデルフィア美術館交流企画特別展

マルセル・デュシャンと日本美術

東京国立博物館 平成館
2018.10.02 - 12.09

伝千利休 竹一重切花入 銘 園城寺 安土桃山時代・天正18(1590)年 東京国立博物館蔵 松平直亮氏寄贈

東洲斎写楽筆 四代目岩井半四郎の重の井 江戸時代・寛政6(1794)年 東京国立博物館蔵 展示期間=11月20日-12月9日

本阿弥光悦作 舟橋蒔絵硯箱 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵 国宝

 伝統的な西洋芸術の価値観を大きく揺るがし、20世紀の美術に衝撃的な影響を与えた作家、マルセル・デュシャンに迫るフィラデルフィア美術館が企画・監修の国際巡回展「デュシャン 人と作品」と、東京国立博物館のコレクションを通して、日本美術を再考する「デュシャンの向こうに日本がみえる。」の2部構成の展覧会が開催される。

 第1部「デュシャン 人と作品」では、フィラデルフィア美術館が世界に誇るデュシャン・コレクションより、油彩画、レディメイド、写真、関連資料など計150余点で、その創作活動をたどる。

 いっぽう、第2部「デュシャンの向こうに日本がみえる。」は、西洋とは異なった社会環境でつくられた日本美術の意味や価値観を浮かび上がらせ、日本の美の楽しみ方を新たに提案しようとするもの。「日本のリアリズム」「日本の時間表現」など5つの切り口で、東京国立博物館所蔵の国宝、重要文化財を含む24件を紹介するとともに、生活の道具に「美」を見出した千利休をはじめとした日本の美的特質、伝統的な西洋美術の価値観を「破壊」しながら作品を手がけたデュシャンの共通点を探る。

 フィラデルフィア美術館のデュシャン・コレクションが自館以外でまとまって公開される初の機会となる本展。「芸術」を見るのではなく「考える」ことで、新たな発見がもたらされるだろう。