EXHIBITIONS

αMプロジェクト2025–2026「立ち止まり振り返る、そして前を向く」vol.7

柳瀬安里|『汝、気にすることなかれ』より「女魔王」

2026.09.19 - 11.21

柳瀬安里《『汝、気にすることなかれ』より「女魔王」》(2026)シングルチャンネルビデオ
使用テクスト:エルフリーデ・イェリネク『汝、気にすることなかれ シューベルトの歌曲にちなむ死の小三部作』(翻訳:谷川道子)

 東京・市ヶ谷のgallery αMで、「αMプロジェクト2025–2026『立ち止まり振り返る、そして前を向く』」の第7弾として、「柳瀬安里|『汝、気にすることなかれ』より『女魔王』」が開催される。会期は9月19日〜11月21日。

 柳瀬安里は1993年埼玉県生まれ。2016年に京都造形芸術大学美術工芸学科現代美術・写真コースを卒業した。身の回りの出来事を出発点とし、それに対するひとつの反応として作品を制作する。

 本展では、ゲストキュレーターに大槻晃実(芦屋市立美術博物館)を迎え、エルフリーデ・イェリネクの戯曲『汝、気にすることなかれ シューベルトの歌曲にちなむ死の小三部作』の第一部「女魔王」に向き合う作品を展示する。本展に際し、柳瀬は以下のステートメントを発表している。

「戯曲の登場人物であり、観客の人気者である女優は、死してもなお延々としゃべり続ける。「たとえば、こんなふうに——『権力というのはいつでも自らに権限を与えるもの。でも、私に権限を与えてくださったのは皆さんなのよ』。あるいは——『私たちって権力の芸名なの!』」(*1)

 聖火ランナーが走る姿を見たとき、オリンピックならこの台詞の持ち主になれるのではないかと思った。それがこの作品のはじまりだった。オリンピックには様々な役割が与えられている。このテクストをオリンピックに当てがったとき、オリンピックはもうその役割を終えたがっているのではないかという気がしてきた。オリンピックに輝きを与えるのがわたしたちであるなら、オリンピックをそれらの役割から解放することができるのも、わたし(たち)なのではないか。わたし自身も、テレビの前でオリンピックに熱中したことがある」。

(*1)エルフリーデ・イェリネク『汝、気にすることなかれ シューベルトの歌曲にちなむ死の三部作』(谷川道子訳)論創社、2006年、14, 22頁。