EXHIBITIONS

加納光於展《初期銅版画―1956年「鳥」から1963年「HYPNOS」まで》

ギャルリプチボワ
2026.08.17 - 09.05

加納光於《鳥》(1956)エッチング 303 × 235 mm

 大阪市のギャルリプチボワで「加納光於展《初期銅版画―1956年「鳥」から1963年「HYPNOS」まで》」が開催されている。会期は9月5日まで。

 加納光於は1933年東京都神田生まれ。独学で銅版画を学び、50年代半ばから作品を発表した。55年に版画集『植物』を自家出版し、翌年タケミヤ画廊で初個展を開催。60年代にはリュブリアナ国際版画ビエンナーレ、東京国際版画ビエンナーレなどの国際展で評価を高めた。初期の銅版画をはじめ、メタルプリント、リトグラフ、オブジェ、詩人とのコラボレーション、舞台美術、ブックワークなど幅広く活動し、80年代からは色彩豊かな油彩を発表している。

 1950年代には、動植物、鉱物、天文などを描写的要素を残しながら幻想的に描き出した作品を制作。50年代末頃からは、版上で腐蝕液と防蝕剤を操りイメージを生み出す独自の作風を展開した。既成の銅版画技法から逸脱したその手法は「インタリオ」と呼ばれた。

 1960年代初めには、インタリオによるシリーズ「花・沈黙」「星・反芻学」などを発表。未見の生命体がひしめく画面からは、動植物、天文・海洋といった様々なイメージを想起させるものとなっている。偶然の形態を取り入れながらも、長い時間をかけて厳しく抑制されたモノクロームの世界を紹介する。

 本展では、加納の初期銅版画に焦点を当て、1950年代の描写的な作風から、抽象的イメージへ変貌する60年代までのモノクローム作品約25点を展示している。