EXHIBITIONS

いわさきちひろ「とても素朴なんだけれど たいせつなもの、それが絵本の中にはあるんです。」

2026.05.15 - 07.20

いわさきちひろ《あごに手をおく少女》(1970)

 ちひろ美術館・東京で「いわさきちひろ『とても素朴なんだけれど たいせつなもの、それが絵本の中にはあるんです。』」が開催されている。会期は7月20日まで。

 いわさきちひろ(1918〜74)は、幼い頃から絵を描くことを好み、女学校時代に洋画を学んだ。戦争によって一度は画家への道を断念するが、終戦後に再び創作活動を始め、人民新聞社で文も絵もかく記者として働いた。日本童画会に入会して童画家として活動し、家族との暮らしや子育てを通して新たな表現を追求。1960年代以降は絵本制作に意欲的に取り組み、日本の絵本に「感じる絵本」と呼ばれる新たなジャンルを拓いた。

 ちひろは生前、日記や手帳、エッセイなどに多くの言葉を遺した。本展では、それらの言葉を手掛かりに、ちひろの人物像や創作の軌跡をたどる。

 戦争を経て再び画家への道を歩み始めた時期から、社会派リアリズムなど当時の動向を学びながら童画家として活動を始めた時代、家族との暮らしや子育てを通して新たな表現へと向かった時代を紹介する。

 また、「子供のしあわせ」の表紙絵の仕事を転機として、自身が感じる「夢を持った、美しい子供」の姿を描くことに確信を得た歩みや、アンデルセン童話への共鳴、編集者・武市八十雄(1927〜2017)とともに取り組んだ実験的な絵本づくりを通して、絵本の可能性を追求した軌跡を見ることができる。

 遺された言葉と作品をあわせて紹介し、移り変わる時代のなかで模索しながら自らの表現を見出していった姿を展観する。