EXHIBITIONS

久保寛子「赤土」

2026.06.21 - 08.24, 2026.08.28 - 10.05
 GASBON METABOLISMで、久保寛子の個展「赤土」が開催される。

 久保は1987年広島県生まれ。先史芸術や民族・民俗芸術、文化人類学などのリサーチをもとに、ワイヤーメッシュや農業用シートなど身近な資材を用いて作品を制作してきた。神話や自然の脅威、周縁化されてきた女性の表象などの題材を、現代的な視点をもって問い直す彫刻作品で知られる。

 2026年4月から、福井・金津創作の森美術館で開催されている個展「青の太陽 緑の月」では、昨年滞在したメキシコで得た「太陽」と「月」のイメージを起点に、久保が継続的に探求してきた「農耕」と「工業」、そして農業や工業の現場で使用されるプラスチック製品の色である「青」と「緑」といった対比を通して、それらのあいだに存在する関係性を浮かび上がらせた。

 本展では「青の太陽 緑の月」にて展示された作品群をベースに、GASBON METABOLISM周辺の土地へのリサーチと、本展のタイトルでもある「赤土」というテーマを軸に、新たな構成で展示。制作の多くを研究やフィールドワークに費やす久保は、GASBON METABOLISMを初めて訪れた際、日本最古の神社のひとつである諏訪大社や、縄文土器・土偶を収蔵する釈迦堂遺跡博物館にも立ち寄った。そこで神道以前の信仰や八ヶ岳山麓に根付く土着文化に強く惹かれたという。さらに、メキシコで出会った古代マヤ・アステカ文明の遺物と日本の先史文化への共鳴、そして現在拠点としている千葉県旭市で採取される赤い粘土「カベト」との出会いがかさなり、本展の構想へとつながった。「赤土」は、異なる時代や土地に存在する信仰や文化を横断し、それらを結びつける媒介として立ち現れる。

 GASBON METABOLISMの広大な空間に、久保寛子による大型彫刻やインスタレーション作品が展開され、鑑賞者の身体感覚を巻き込みながら、空間全体をひとつの体験へと変えていく。また会期中に展示内容が変化する構成も予定しており、訪れる時期によって異なる風景が提示される。