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EXHIBITIONS

ニューミューテーション#6 井上裕加里 ソー・ソウエン 高田マル「ふるえのゆくえ」

2026.01.17 - 03.15
 京都芸術センターで「ニューミューテーション#6 井上裕加里 ソー・ソウエン 高田マル『ふるえのゆくえ』」が開催されている。

 井上裕加里は、戦後の東アジアを中心とした国家間における複合的な状況にある人々の声を聞き、人々や国家のあいだにある境界の力学を探ってきた。語られることがなかったかもしれない言葉に耳を傾けることで、歴史・文化観では消えてしまう声に焦点を当て、そこから生まれる問いを出発点に、社会構造や身体に敷かれたルールを紐解いてきた。

 また、ソー・ソウエンは、生の根源的な事象を主軸に絵画やインスタレーション、パフォーマンスなどを発表してきた。個としての生の循環を出発点に、身体を通して他者との生きた関係性を紡ぐことで、アイデンティティのあり方を探求している。

 高田マルは、現代において絵を描き、見せる、見るという行為を自身の実践を通して検討してきた作家だ。

 本展は、関西ゆかりの若手作家を支援する枠組みである「ニューミューテーション」の第6弾として開催。井上裕加里、ソー・ソウエン、高田マルによる展覧会となっており、出展作家3名による京都芸術センターでのクリエーションを経た新作を発表している。

 井上は、兵役の経験を持つ知人たちへのインタビューや心理学的な質問、基礎教練の習得を通して、アイデンティティや国家と個人の関係、理解し合えなさに着目した映像作品を発表。また、制作での経験を起点に、抵抗のあり方を探るワークショップを展示期間中に実施し、記録映像を発表する。

 ソウエンは、15名の参加者とともに「こんな世界であってほしい」という声をいくつかのルールのもとその場から絶やさない制作ワークショップを実施。普段人々が用いる「声」の全体性や連帯、抵抗、逸脱などの性質に着目し、ハーモニーや群集心理について迫るサウンド・インスタレーションを発表している。

 高田は、京都芸術センターグラウンドを囲む元小学校の校舎外壁に約2ヶ月の制作期間をかけて制作し、これまでで最大規模の壁絵シリーズを発表。日記帳に描いた絵を外壁に拡大して投影し、重なり合う線をなぞって描き、最後には消えていく作品だ。展覧会の最終日には、参加者とともに線を消す壁絵クロージングを行う。