EXHIBITIONS

ジャデ・ファドジュティミ「Our Inner Tide」

Jadé Fadojutimi As I transcend from thistle to thorn, friction and throbbing are pompously born 2025
acrylic, oil, and oil pastel on canvas 250 x 175 cm © Jadé Fadojutimi / Photo: Kenji Takahashi / Courtesy of the artist and Taka Ishii Gallery

 タカ・イシイギャラリー 六本木・京橋で、ジャデ・ファドジュティミによる個展「Our Inner Tide」が同時開催されている。

 ジャデ・ファドジュティミは1993年ロンドン生まれ。現在は東京とロンドンを拠点に活動している。スレード美術学校で絵画を学び、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士課程を修了。The Hepworth Wakefield(ウェイクフィールド、2022)、ICAマイアミ(2021)、PEER UK(ロンドン、2019)などで個展を開催し、第59回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2022)、リバプール・ビエンナーレ(2021)などの国際展に参加。作品はテート・モダン、メトロポリタン美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館などに収蔵されている。

 本展は、タカ・イシイギャラリーにおけるジャデ・ファドジュティミの3回目の個展であり、六本木および京橋の両会場で同時開催。日本で制作された大型ペインティング作品群を中心に、初公開となるサウンドスケープ・インスタレーションをあわせて展示している。

 展示されている絵画作品は、油絵具を幾重にも重ねた表面にオイルパステルやオイルバーの線を加えた作品で構成。色彩や筆致、絵具の層が画面上に現れる工程を通して制作された作品群を紹介する。

 また、京橋ギャラリーでは、3点のサウンドスケープ作品によって構成されたインスタレーション《The Texture of Reality Has Begun to Shift》を展示。本作は、ジャデ・ファドジュティミ自身とサウンドデザイナー/オーディオプロデューサーのテイラー・ヒルトンの歌声を用いた作品であり、音の重なりや時間的な構成によって成り立つ。ペインティング作品と並行して発表される本インスタレーションを通し、視覚と聴覚の双方に関わる作品群を紹介する。