ひろしま みどりとりどり

　YUGEN Galleryで、戦後80年特別企画としてグループ展「ひろしま みどりとりどり」が開催される。

　本展は、広島を拠点に活動するタメンタイの山本功によるキュレーションで、2024年夏に開催された企画「タイムとマシンの平和利用」に続くもの。広島はかつて、「75年は草木も生えぬ」と言われたほどの被害を受けたが、国内外から木々が贈られ、現在は110種にのぼる街路樹が並ぶ平和大通りが復興の象徴となっている。いっぽうで、予兆のない倒木が相次ぎ、人間が管理できる範囲には限界があるとも言える。

　そんな問題意識から、タメンタイでは広島と植物に焦点をあてた企画を断続的に開催。本展に出展する徳本萌子、渡辺真悠、高松明日香、有田大貴の4名は、人間の都合とは異なる時間軸で移ろいゆく植物を扱った作品を広島で発表してきた作家だ。本展では新作を交え、東京・表参道のギャラリー空間を緑で満たしながら、戦後復興と都市のあり方を見つけ直すことを試みる。