EXHIBITIONS

Acts of Care 第3期:ナヤブ・イクラム、サンプサ・ヴィルカヤルヴィ「Families」

2025.04.05 - 04.26
5

ナヤブ・ノール・イクラム The Family (16mm film still from performance) 2022年 Credit: ©Nayab Noor Ikram

 KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYで「Acts of Care 第3期:ナヤブ・イクラム、サンプサ・ヴィルカヤルヴィ『Families』」が開催される。
 
 ナヤブ・ノール・イクラム(Nayab Noor Ikram)は、フィンランドを拠点に活動するアーティスト。オーランド諸島(6500を超える島々からなるフィンランドの自治領/住⺠のほとんどはスウェーデン系)出身のパキスタンのディアスポラでもある。写真、映像、パフォーマンス、インスタレーションなどの作品を手がけ、儀式や象徴を通して、中間的であるということ(in-betweenship)、文化的アイデンティティ、記憶などの概念を探求している。

 サンプサ・ヴィルカヤルヴィ(Sampsa Virkajärvi)は1970年生まれ。時間と変化と社会、そして個人の選択とその不可能性に興味を持つアーティストでありドキュメンタリー映画監督。経済大国と技術革新の圧力のもとで生まれる体験に関心があるヴィルカヤルヴィは、文化や歴史的な事柄を扱う作品を制作している。

 イクラムが本展で発表する映像《The Family》は、アーティストとその家族によるパフォーマンスの記録だ。ヴィルカヤルヴィは本展で2点の映像作品を展示する。ひとつは自宅で認知症を患うアーティストの実母の晩年を描いた《What Remains?》。そしてもう一作品は実父の最晩年を映した《With You》だ。

 本展で展示するフィンランドを拠点するふたりのアーティストの作品は、家族という単位の尊さや、忘れがちになってしまう過去や未来を喚起させつつ、各々の「いま」に焦点をあわせることの大切さを提示提示していると言える。