EXHIBITIONS

春の江戸絵画まつり 司馬江漢と亜欧堂田善 かっこいい油絵

2025.03.15 - 04.13, 2025.04.15 - 05.11

亜欧堂田善 両国図 重要美術品 秋田市立千秋美術館(前期・後期)

 府中市美術館で「春の江戸絵画まつり 司馬江漢と亜欧堂田善 かっこいい油絵」が開催される。

 油絵といえば「西洋のもの」というイメージがあるが、江戸時代の日本でもオランダや中国を通じて、少ないながらも油絵が輸入され、それをまねて描く画家がいた。その代表的な画家が、司馬江漢(1747〜1818)と亜欧堂田善(1748〜1822)だ。ただし、ふたりの油絵はよく知る油絵とは異なる。荏胡麻の油などを使って自分で調合した絵具で、日本で古くから使われてきた薄くて繊細な絵絹に描いているので、滑らかでさらりとして、明朗かつ落ち着きのある色をしている。

 府中市美術館では様々な展覧会でふたりの油絵を紹介してきたが、鑑賞者からよく聞こえてきたのが「かっこいい」という言葉だったという。本展では、油絵だけでなく銅版画や、墨や在来の絵具を使った作品も紹介する。そしてふたりの生い立ち、画家としての立場や環境の違い、目指すものの違いにも注目。科学者であり文人でもあった司馬と、幕府老中もつとめた白河藩主松平定信のもとで黙々と技術を極めた亜欧堂。ふたりの違いが作品にどう表れているかも、大きな見所だ。