EXHIBITIONS
草野貴世 その表層の深淵なるは…
EUREKAで、草野貴世による個展「その表層の深淵なるは…」が開催されている。
場の物語を丁寧に紐解いて人の営みと歴史などのつながりをテーマに作品を制作している草野。本展では、空間全体を使って新作のインスタレーションを発表している。
本展に際して、草野は次のように述べている。
「藍の染み込んだ布や糸、蜜蝋、木化石などによるインスタレーション。壁面に布、板などの表面に藍顔料、膠、胡粉、墨などの素材と表層に関わる異素材によるコラージュ。それら全体の空間が、ブリコラージュ的なものとなっているかもしれない。
藍という植物が染料になる過程では、重要な発酵を促す微生物の存在がある。藍の葉に宿る微生物は、発酵染色液中で生きていて、藍液に手を入れるとぬるりと温かく、まるで生き物の体中に手を入れたような不思議な感覚を受ける。藍染めの美しい色を導き出すまでのその体験(行為)こそが、作品に『藍』を使うきっかけとなった。藍で染めた布や糸に、深く淡く染み込んだ藍のいのちが記憶の回路を開くように、目に触れる表層の世界は、幾重にも折りたたまれながら深みへとつながっていく。
その無数の通路のひとつを注意深くたどっていくと思わず深淵を覗き込んでしまうことになる。遠い記憶のなかで、幾度も逡巡するあの通路を往復し、闇が深いのならば光もさぞ明るく射すのだろうなどと、その目の欲望に誘引されながら作品と向きあっているのだろう。行きつ戻りつする思考のなかで、あの藍液に手を入れた時の感触が、藍色に染まった手の皮膚を通して、動植物の、自然の、そして私たちの、底なしの記憶へと連れて行くのだ」(展覧会ウェブサイトより)。
場の物語を丁寧に紐解いて人の営みと歴史などのつながりをテーマに作品を制作している草野。本展では、空間全体を使って新作のインスタレーションを発表している。
本展に際して、草野は次のように述べている。
「藍の染み込んだ布や糸、蜜蝋、木化石などによるインスタレーション。壁面に布、板などの表面に藍顔料、膠、胡粉、墨などの素材と表層に関わる異素材によるコラージュ。それら全体の空間が、ブリコラージュ的なものとなっているかもしれない。
藍という植物が染料になる過程では、重要な発酵を促す微生物の存在がある。藍の葉に宿る微生物は、発酵染色液中で生きていて、藍液に手を入れるとぬるりと温かく、まるで生き物の体中に手を入れたような不思議な感覚を受ける。藍染めの美しい色を導き出すまでのその体験(行為)こそが、作品に『藍』を使うきっかけとなった。藍で染めた布や糸に、深く淡く染み込んだ藍のいのちが記憶の回路を開くように、目に触れる表層の世界は、幾重にも折りたたまれながら深みへとつながっていく。
その無数の通路のひとつを注意深くたどっていくと思わず深淵を覗き込んでしまうことになる。遠い記憶のなかで、幾度も逡巡するあの通路を往復し、闇が深いのならば光もさぞ明るく射すのだろうなどと、その目の欲望に誘引されながら作品と向きあっているのだろう。行きつ戻りつする思考のなかで、あの藍液に手を入れた時の感触が、藍色に染まった手の皮膚を通して、動植物の、自然の、そして私たちの、底なしの記憶へと連れて行くのだ」(展覧会ウェブサイトより)。