EXHIBITIONS

2024年度教員展Vol.5 岩崎宏俊/忘却の裏面

名古屋造形大学学内ギャラリー
2024.12.07 - 12.21
 名古屋造形大学学内ギャラリーで「2024年度教員展Vol.5 岩崎宏俊/忘却の裏面」が開催される。

 岩崎宏俊は、2019年東京美術大学大学院美術研究科先端芸術表現領域博士後期課程を修了。ロトスコープという手法に着目し、混淆する運動性や記憶などをテーマに探求を続けている。第17回 shiseido art eggに入選、15年にはオランダ国際アニメーション映画 グランプリを受賞。

 岩崎は、アニメーションの技法のなかでも運動をトレースしてアニメーションを制作するロトスコープのプロセスを「追憶のドローイング」ととらえ直し、そこに古代ローマの文筆家大ブリニウスの記した絵画の起源のエピソードをなぞらえる。

 絵画の起源のエピソードとは、古代ギリシアのコリントスの陶工・ブタデスの娘が、恋人との差別の際にランプの灯りで照らされ壁に映った彼の「影(スキア)」の輪郭をなぞり写しとどめたことに由来する。岩崎はこのエピソードを踏まえ、ロトスコープのなぞるという身振りに不在をしるし、とどめるという、描く行為の根源(アルケー)を見出し、同時に忘却の裏面に広がる想起のプロセスを問いかける。