EXHIBITIONS
特別展示
in Vitro? in Vivo! – 写真家 立木義浩 ✕ 東京大学
インターメディアテクで、特別展示「in Vitro? in Vivo! – 写真家 立木義浩 ✕ 東京大学」が開催されている。
写真家である立木義浩は、1965年に写真集『舌出し天使』でデビューして以来、60年にわたり第一線で活躍してきた。美しい女優たちを収めた数々の作品を発表するいっぽうで、著名人の家族、震災被災地の人々、国宝東寺など、特定のジャンルにとどまることなく、感度高く時代を写し取ってきた。
そんな立木が以前から好奇心を持ってきた場所のひとつが「博物館」だ。20代で撮影した『舌出し天使』のロケ地も上野の博物館であり、86歳になって撮影意欲を掻きたてられたものも、また、学術標本と歴史的な什器が並ぶ空間「東京大学総合研究博物館」であった。そして今回、同館に蒐集された学術標本群を撮影することとなった。
タイトルは「in Vitro? in Vivo!」。in Vitroは「試験管内」、in Vivoは「生体内」を意味し、生理学において人工的環境下で行われる反応系と、実際の生体内で起こる反応系を指す。博物館に蒐集された標本群は封じこめられたものであるいっぽう、博物館に展示され、ファインダーを通して切り取られることで、再び生きた存在へと戻っていくととらえることもできる。本展は、観客に対し、学術標本がたんなる研究対象を超え、どのように芸術として再解釈されるかを考える機会を提供するものとなっている。
立木の写真のなかでは、体温を持たないはずの被写体が、そこでしか見せない表情を醸し出す。生と死、学術と芸術、自然と人為、分類と混在といった博物的で哲学的な対比をとらえつつも、立木自身が「still alive」と表現するように、学術標本でさえ私情の「モノがたり」を写しだす。
写真家である立木義浩は、1965年に写真集『舌出し天使』でデビューして以来、60年にわたり第一線で活躍してきた。美しい女優たちを収めた数々の作品を発表するいっぽうで、著名人の家族、震災被災地の人々、国宝東寺など、特定のジャンルにとどまることなく、感度高く時代を写し取ってきた。
そんな立木が以前から好奇心を持ってきた場所のひとつが「博物館」だ。20代で撮影した『舌出し天使』のロケ地も上野の博物館であり、86歳になって撮影意欲を掻きたてられたものも、また、学術標本と歴史的な什器が並ぶ空間「東京大学総合研究博物館」であった。そして今回、同館に蒐集された学術標本群を撮影することとなった。
タイトルは「in Vitro? in Vivo!」。in Vitroは「試験管内」、in Vivoは「生体内」を意味し、生理学において人工的環境下で行われる反応系と、実際の生体内で起こる反応系を指す。博物館に蒐集された標本群は封じこめられたものであるいっぽう、博物館に展示され、ファインダーを通して切り取られることで、再び生きた存在へと戻っていくととらえることもできる。本展は、観客に対し、学術標本がたんなる研究対象を超え、どのように芸術として再解釈されるかを考える機会を提供するものとなっている。
立木の写真のなかでは、体温を持たないはずの被写体が、そこでしか見せない表情を醸し出す。生と死、学術と芸術、自然と人為、分類と混在といった博物的で哲学的な対比をとらえつつも、立木自身が「still alive」と表現するように、学術標本でさえ私情の「モノがたり」を写しだす。