EXHIBITIONS
野村仁「コスミック・センシビリティー」
アートコートギャラリーで、野村仁(1945〜2023)による個展「コスミック・センシビリティー」が開催されている。
本展では、宇宙から飛来した隕石をYS-11の尾翼にのせ、地上に迎え入れる大型作品《軟着陸する隕石’97》(1991〜1997)をメインに、野村の彫刻制作を貫く「コスミック・センシビリティー」の意識を代表作の数々とともに紹介。
野村は、重力や時間とともに変化する物質の様相をカメラでとらえ、1960年末より写真を主要な素材とした彫刻作品とする制作をスタート。1970年代半ばには天体の動きにレンズを向け、以来、身の回りの事象や生の営みが崇高でダイナミックな自然の秩序にもとづく関係性に関心を深める。扱う素材やメディアも多様化し、宇宙の起源、生命の誕生、地上生物の進化過程といったスケールで「時」を記述し、物の成り立ちや現象の背後にある「モト」を照射する独自の空間表現を探求していった。
1980年代に入り、隕石を初めて入手した野村は、果てしない時間と空間とともに現れる宇宙の造形力の存在に気づく。その思考と意識のもとに生まれる新たな創造の拡がりを「コスミック・センシビリティー」と呼び、1990年代より隕鉄を用いた作品を発表。小隕石を肖像や事物に見立て、ユニーク彫刻として大理石にのせ提示する作品や、DNA模型と組みあわせた作品などを手がけた。
アートコートギャラリーは、約20年にわたり野村の先進的な活動発表の場となり、制作のエネルギーを間近で見る機会に恵まれた。「物質と生命を貫く大切な何か」をとらえ、宇宙を身近に知覚できる数多くの作品を生み出し続けた野村仁を再び見つめる。
本展では、宇宙から飛来した隕石をYS-11の尾翼にのせ、地上に迎え入れる大型作品《軟着陸する隕石’97》(1991〜1997)をメインに、野村の彫刻制作を貫く「コスミック・センシビリティー」の意識を代表作の数々とともに紹介。
野村は、重力や時間とともに変化する物質の様相をカメラでとらえ、1960年末より写真を主要な素材とした彫刻作品とする制作をスタート。1970年代半ばには天体の動きにレンズを向け、以来、身の回りの事象や生の営みが崇高でダイナミックな自然の秩序にもとづく関係性に関心を深める。扱う素材やメディアも多様化し、宇宙の起源、生命の誕生、地上生物の進化過程といったスケールで「時」を記述し、物の成り立ちや現象の背後にある「モト」を照射する独自の空間表現を探求していった。
1980年代に入り、隕石を初めて入手した野村は、果てしない時間と空間とともに現れる宇宙の造形力の存在に気づく。その思考と意識のもとに生まれる新たな創造の拡がりを「コスミック・センシビリティー」と呼び、1990年代より隕鉄を用いた作品を発表。小隕石を肖像や事物に見立て、ユニーク彫刻として大理石にのせ提示する作品や、DNA模型と組みあわせた作品などを手がけた。
アートコートギャラリーは、約20年にわたり野村の先進的な活動発表の場となり、制作のエネルギーを間近で見る機会に恵まれた。「物質と生命を貫く大切な何か」をとらえ、宇宙を身近に知覚できる数多くの作品を生み出し続けた野村仁を再び見つめる。