クリス・パイレート「Cherry Blossoms Regifted: from DC to Japan」

　STREET DREAMS STUDIOS TOKYOで、クリス・パイレートによる個展「Cherry Blossoms Regifted: from DC to Japan」が開催されている。

　アーティスト、デザイナー、壁画家であるクリス・パイレートは、NBA、Nike、HYPEBEAST、Atmos、ユニクロ、Complex、MCMなどのコラボレーションを通じて国内外での認知を得ている。

　ワシントンD.C.で生まれたクリスは、桜でいっぱいの街で育った。それらの桜の木は、1909年に当時の東京市長である尾崎行雄と、日本の化学者の高峰譲吉によってワシントンD.C.に贈られたものである。幼い頃のパイレートは桜の木だけでなく、自分の街と日本とのつながりにも大きなインスピレーションを受けた。

　生まれつき芸術的な才能に恵まれていたクリスは、1990年代から2000年代初頭にかけて、当時アメリカでブームだった日本文化（アニメーションやストリートウェア）の影響を大きく受ける。これに加え、アメリカのアート、アニメーション、ストリートウェアも、5歳の頃から絵を描いてデザインを始めたクリスの芸術的な心に独自のインスピレーションを与えた。

　今回、クリスの作品をワシントンD.C.から持ち込み、日本で発表できることはひとつの巡りあわせであり、日本からワシントンD.C.に贈られた桜の木々とともに育ち、そこからクリスが受けたインスピレーションをアートというかたちで日本に返すことを意味する個展となっている。