EXHIBITIONS

発酵文化芸術祭 金沢 ―みえないものを感じる旅へ

 金沢21世紀美術館のほか石川県内5地区を会場に「発酵文化芸術祭 金沢 ―みえないものを感じる旅へ」が開催される。

 同館では、「まちに活き、市民とつくる、参画交流型の美術館」をその特徴のひとつとして、開館以来、市民や産業界など様々な組織と連携をはかり、地域に根ざした新しい美術館活動を展開してきた。開館20周年記念となる本年度は、発酵の専門家や地域の醸造家、観光・まちづくりに関わる企業から構成される「発酵ツーリズム金沢実行委員会」と協働して、アートと発酵文化、そしてまち歩きが結びついた新たな「文化芸術祭」を開催する。

 醤油や日本酒など日本を代表する発酵食の文化。なかでも金沢や石川県内にはカブにブリを挟み、糀で漬け込んだ「かぶらずし」やフグの卵巣を糠に漬け込み解毒する「ふぐのこ」など、海の文化が育んだ独自の発酵文化が根づき、数百年の歴史を宿す醸造蔵が数多くある。本展は、食と歴史、気候風土が一体になった金沢で、醸造家とアーティストが手を組んで、普段は目にみえない「発酵」をテーマに作品を紹介する。

 美術館と実行委員会の両者が主催となり、美術館はプロジェクト工房を、いっぽう、実行委員会は地域の醸造蔵(インスタレーション会場)を会場に活動を展開する。まず、美術館のプロジェクト工房では、石川の発酵文化を紹介するパネルや映像などを展示。街歩きの情報を手に入れるインフォメーションセンターの機能もかね、発酵に関連する商品の物販も行う。

 また、地域の醸造蔵では、醸造家とアーティストが手を組んで発酵をテーマに制作した作品を展示。観客は美術館をチェックイン場所として、各エリアの醸造蔵に設置されたインスタレーション作品を巡る。プロジェクト工房は、大野地区、石引地区、野町・弥生地区、東山地区、白山市鶴来地区。