キース・ヘリング展　アートをストリートへ

　福岡市美術館で、特別展「キース・ヘリング展　アートをストリートへ」が開催されている。

　明るく、ポップなイメージで世界中から愛されているキース・ヘリング。ヘリングは「アートはみんなのために」という信念のもと、1980年代のニューヨークで地下鉄駅構内やストリート、つまり日常にアートを拡散させることで、混沌とする社会への強いメッセージを発信し、人類の未来と希望を子供たちに託した。ヘリングが駆け抜けた31年間の生涯のうち創作活動期間は10年ほどであるが、残された作品に込められたメッセージはいまもなお響き続けている。

　本展は、6メートルに及ぶ大型作品を含む約150点の作品を通して、ヘリングのアートを体感してもらう機会となる。社会に潜む暴力や不平等、HIV・エイズに対する偏見と支援不足に対して最後まで闘い続けたヘリングのアートは、時空を超えて現代社会に生きる人々の心を揺さぶることだろう。