澤乃井櫛かんざし美術館所蔵　ときめきの髪飾り－おしゃれアイテムの技と美－

　細見美術館で「澤乃井櫛かんざし美術館所蔵　ときめきの髪飾り－おしゃれアイテムの技と美－」が開催されている。

　京都・祇園に生まれて芸妓となり、のちに東京で料亭の女将として活躍した岡崎智予（1924〜1999）は、40余年かけて3000点以上もの櫛やかんざしを中心とした装身具を収集した。そして、そのコレクションをもとに、平成10（1998）年、銘酒「澤乃井」で知られる酒造元・小澤酒造株式会社の名誉会長・小澤恒夫が、東京・青梅に「澤乃井櫛かんざし美術館」を開館。

　本展では、岡崎の高い審美眼で収集された櫛やかんざしをはじめ、江戸時代の様々な髪型の模型や、筥迫（化粧ポーチ）、紅板（リップパレット）、着物、さらには矢立（携帯用筆記用具）や印籠（携帯用薬入れ）など日本工芸の技や粋が凝縮された作品を精選して紹介している。

　岡崎智予が熱き思いで収集したコレクションを散逸させることなく、見る人にときめきを届け続ける澤乃井櫛かんざし美術館の精華を堪能してほしい。