笠井麻衣子「カナリア鳴く夜」

　biscuit gallery karuizawaで、笠井麻衣子による個展「カナリア鳴く夜」が開催されている。

　笠井麻衣子は1983年愛知県出身。2007年に金沢美術工芸大学美術工芸学部油画専攻を卒業、2009年に金沢美術工芸大学大学院修士課程絵画専攻油画コースを修了。同廊での笠井の個展は、本展が初めてとなる。笠井は本展に寄せて、次のように語っている。

「自宅の外で起きるくるくるとめまぐるしい事象を知るとき、長い絵巻を眺めているときのような既視感を持つと同時に、自分もつねに見られているという俯瞰からの視線の存在の気づきがある。それはまるで、我が子のために自宅に設置したベビーモニターを覗き込むときのように、空間全体に向けられた慈愛の眼差として感じられたり、窓から部屋に差し込む月の光によって見守られている居心地のよさをもたらす。今作では、俯瞰的視点で物語を想像する眼差しとして青みがかった月の光が絵画全体を照らし、その光のなかで少女と動物たちの切り離せない関係性を近接的な視線から描いている」。（展覧会ウェブサイトより）